参議院の意義

 参議院?どーせ衆議院と一緒じゃん、なくてもいいんじゃない?なんてのがテレビでやってまして。僕も一時期そんな風に思ってました。だけど、僕が行ってる東京での勉強会で、ちょうどそんな話題が出たときに、けっこうお年の、ご意見番の方が、こうおっしゃいました。
 

 参議院っていうのはね、敗戦間もない日本の首脳が、なんとか守り通した…意地みたいなもんなんですよ。

 当初GHQが作った、英文の日本国憲法草案では、衆議院のみの、一院制だったんです。

 だけどそれだけでは、解散を含めたら4年以下周期で、ごそっと国政を担うものが総入れ替えしてしまう。ちょっと世論が極端に振れたら、国の方針がコロコロ変わることになってしまう。なので吉田茂ら首脳は、なんとか独自の、「解散総選挙無し、任期6年、半分ずつ入れ替え」の“参議院”の案を考えだし、粘りに粘って交渉をした結果、憲法案に盛り込ませる事に成功したんです。

 “良識の府”として、衆議院の議決を、もう一度別の角度から審査する機関として。民主主義の暴走を防ぐ、安全装置として。これは吉田茂ら戦後間もない時期の首脳からの、贈り物なんです。

 残念ながら、今ではタレント議員なんかがいて、とても“良識”の府とは呼べない顔ぶれだったり、衆議院と殆ど同じ、政党同士の競争の場になってるけども…。参議院が、本来の姿を取り戻すには、政党、流派関係なく、深い見識を持った人たちを選挙で選ぶ、そういう流れをつくっていかなくてはいけないね。

参議院が日本独自案だったとはね。。。この年にして参議院の意義が初めてよくわかりました。いやお恥ずかしい限りです。公民の教科書に、こんな話書いてあったっけ?あったら面白いのにね。

では、良識の府にするには?

要するに、誰が賢くて誰がアホか、わかるようにしたら良い、ということで、こんな選挙制度にしたらどうかと考えました。

  • 参議院だけ、従来の選挙活動を禁止し、以下に限定された活動のみ行って良いことにする。
  1. 政党名は伏せる。
  2. 選挙区ごとに各候補者共通の様式で、政策を載せた広報を作成し、選挙管理委員会がそれをチラシ、新聞、Web、テレビ等で配信する。費用は供託金から充てる。
  3. 選挙区ごとに候補者全員参加の公開討論会を行う。勿論テレビ、新聞、webで配信。一般人からの質問もwebで受け付けたら良い。

要するに、敢えて差別化を図るために、参議院のみ大幅に選挙活動を制限し、政策や見識のみで比較できるようにするんです。どないでしょ?