天皇陛下の論文
昨日は天皇誕生日。今年10月に陛下のハゼの進化に関する論文が英国の科学誌 Gene に掲載されたとの新聞記事があって、今日研究室で話題になった。
そこでふと湧いた疑問。著者名はどうなってるんだろうね?
実は生物、医学の学術論文は、アメリカの国立医学図書館のPubMedという巨大データベースに、全部登録されてるんです。誰でも無料でアクセスでき、(もちろん英語だけど)要旨まで読めます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/
というわけで早速検索してみました。まずキーワードは Emperor。
そしたら何処の誰かわかんないけど、 Emperorさんが書いた論文が引っかかりました(笑)…ていうかそんな名前の人が実際にいることにまず驚き! 日本で"皇帝"とかいう名前の人いるんだろうか? なんか小学校いじめられそう。
では天皇陛下の御名前、Akihitoで検索すると、ありました。一番上に件のハゼの論文が。
著者名は Akihito 。 あ、そうか。天皇家だから名字がないんだった。共著にAkishinonomiya Fumihitoとあります。秋篠宮殿下も参加されてたみたいですね。
どうでもいいですけど住所が、
The Imperial Residence, 1 - 1 Chiyoda, Chiyoda-Ku, Tokyo, 100-0001 JAPAN
なんか、カッコ良すぎです。郵便番号含めて、全部1番なんですね。知らなかった。論文のほうは・・・後でゆっくり読もうかな。専門外なので、分からない単語ばっかし…
年代別の内閣支持率が面白いことになっている件
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081207-OYT1T00561.htm
読売新聞社が5〜7日に実施した全国世論調査(電話方式)で、麻生内閣の支持率は20・9%となり、11月初めの前回調査(40・5%)からほぼ半減した。不支持率は66・7%で約25ポイント跳ね上がった。
新聞やテレビの世論調査は、いまどき固定電話にランダムにかける方式だし当てにならないという話を聞きますが、ひと月で半減とはこれまたすごいなと思って、ネットの世論調査を見てみました。
http://www.yoronchousa.net/result/5950
回答数2000。期間は11月1日〜11月30日、3回までの回答変更あり、という条件。多重投稿防止機能も入ってるので、ネットでの調査では信頼性があるほうです。これだと内閣支持率は39%です。読売が言う前回調査と大差ない値。
ここの良いところはさらに属性別にも見ることが出来る点。興味深いことに、年代別データを見たら支持率に歴然とした差がありました。若いほど麻生内閣支持率が高く、年寄りほど不支持が多くなってます。
年代 | 支持 | 不支持 |
---|---|---|
10代 | 49% | 35% |
20代 | 65% | 28% |
30代 | 51% | 43% |
40代 | 34% | 61% |
50代 | 26% | 71% |
60代 | 17% | 71% |
70代 | 16% | 78% |
年代でこんなにハッキリ違いが出るとは思いませんでした。あと30代以下と40代以上の間に大きな壁がある気がします・・・これは何を意味するんでしょうね?
葉緑体を取り込んで光合成するウミウシ
植物のDNAと融合し、太陽エネルギーだけで生きているすごいウミウシ - GIGAZINE
2週間の間、このウミウシ「Elysia chlorotica」に餌の藻「Vaucheria litorea」を与えると、何も食べずに1年ほどの寿命を全うして生き延びます。これは、光合成によって栄養を作り出しているためですが、そのために必要な葉緑体は単体でははたらきません。葉緑体のもつDNAは不完全なため、おおもとの植物細胞の核にあるDNAが必要になるからです。植物細胞をもたないウミウシがどのようにして葉緑体を機能させ続けているのかが大きな謎でした。
アメリカのメーン大学のMary Rumpho-Kennedy教授による最新の実験の結果、ウミウシのDNAの中に藻から取り込んだDNAが発見されました。この体内のDNAと葉緑体のDNAが組み合わさって、葉緑体が維持されているようです。
パワードスーツ簡易版:ホンダの「外骨格」
http://wiredvision.jp/news/200811/2008111123.html
本田技研工業(ホンダ)のロボット工学オタクたちが、靴のように装着して身体を支え、関節を保護する「外骨格」を開発した。ホンダによると、工場の組立ラインでのケガを減らす効果が期待できるもので、さらに、高齢者の動きを楽にする用途も考えられるという。
ホンダが作ったこの「第3の脚」は、工場で働く作業員を人間工学的にサポートするという用途以外にも、杖や歩行器に代わるものとして実用化できる可能性がある。
さすがホンダ。全身型のパワードスーツは前に記事を見たことあったけど、こちらはなにより構造がシンプルだし使い勝手良さそう。自分が年をとって歩くのがつらくなったら杖の代わりに使いたい。
オオカミ少女の話はウソだった
オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 - 情報考学 Passion For The Future
- 作者: 鈴木光太郎
- 出版社/メーカー: 新曜社
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石破さんがいいこと言ってる
田母神・前空幕長の論文から思うこと: 石破茂(いしばしげる)ブログ
この論文に対する反応がいろんなリトマス試験紙になっていて面白いです。脊髄反射で批判する人から、内容を手放しで絶賛しだす人まで。僕自身は石破さんに賛成。さすが長年実務で関わってこられただけあり、バランス感覚というんでしょうか、そのあたり整っていて、読んでいて心地よいです。
にしても石破さん、誰でもコメントがつけられるブログをやってたなんて、度胸ありますね・・・。直につけられたコメントと、はてなブックマークのコメントの雰囲気が違いまくるところもちょっと面白かったり。
日米の大学院教育の目標の違い
大学院教育で何が出来ると人が育ったと言えるのか - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing
これを読んでまさに自分にも当てはまるなぁと思ったのでトラックバック。
僕の経験からの印象では、日本の大学院の与える"学位"(博士号のこと)の意味は、
- 大変な院試を通ったので知識は教科書レベルで大体知っている、
- 当然のことながら、やってきた研究周りの手技はそれなり以上に自信がある、
- それなりの数の人のセミナーも聴いた、それなりに研究分野については論文も読んできた、
- ある程度、ペーパーを書く経験もした、
- 何度か学会で発表したし、
- まあ長い間研究をやりました、5年以上の苦痛にも耐えられます、
- ラボの若いやつの面倒も多少見た、
ということのように見える。
まさに全部当てはまってます。僕も典型的な日本型で育った感じです。
で、アメリカのresearch universityでは、
- independentな研究のプランニング、遂行能力
- 大学における教育能力
この2つの能力を育てるのを目標に掲げていて、筆者流に書き直すと、
- その学問分野における偏りのない、大学教員ができるレベルの体系的な知識
- その学問分野における現在の重要課題とその背景の包括的理解
- 論理的な批判力、論点、課題推敲力
- 強いanalyticalな文章を書く力。特に論文とグラント申請、、、"Science is a writing business"と言って非常に重視
- 人前での発表、対応力
- 自分で活動を設計し、活動をマネジメントしていく力。これにはアドバイザーや必要な周りの人も含めた調整力も含まれる
- Undergraduate(=賢いが無知な人)にわかりやすいように教え、幅広い質問に答え、導き、encourageする力
以上を全部英語で、(←トドメ・苦笑)ということだそうです。
あー、日頃必要性を痛感していることばかりでなんとも耳が痛いです。全部できたらそら、スーパーマンですわな。僕なら惚れます。あ、そうか。だからあの先輩はモテモテd ・・・ゲフンゲフン。話がそれました。・・・もっと精進しよう