日本語の特殊性

ショコラ・リパブリック言語論 - 内田樹の研究室

ショコラ・リパブリックというある意味ちぐはぐな店名が付けられたのは、日本語独特の言語構造ならではのことではないか?という考察。
確かに、僕もミートショップ・マイスターという店を見付けたことあります。ミートショップまで英語でマイスターがドイツ語。その時はごちゃまぜやん!とツッコんだだけで終わりましたが、内田さんは同じような店名からすごい考察をされてます。

漢字は表意文字(イデオグラム)である。ひらかなやアルファベットは表音文字(フォノグラム)である。表意文字表音文字の組み合わせで言語を構築するのは漢字の周辺文化圏の特徴である。
そこでは、ひさしくローカルな表音記号でシンタックス(連辞)を形成して、そこに任意の外来語をはめこむという混淆的な言語をつくってきた。
日本もそうだし、朝鮮半島もそうだし、インドシナもそうである。
でも、隣国の人たちは漢字を捨てて、ハングル表記に切り換えつつある。韓国の若い人はもう漢字で自分の名前を書くのがやっとだそうである。
ベトナムも漢字を捨て、ベトナム文字も捨て、アルファベットに切り換えてしまった。だから、現在のベトナムの若者たちは70年前のベトナム人が書いたものをもう読むことができない。古い建物に行っても扁額も石碑も読めないのだそうである。
その中で日本だけが現地語の表音文字に外来語の表意文字をはめこむというスタイルの孤塁を守っている。

確かにその通り。日本語ってかなり独特の言語ですよね。他と比べて表意文字表音文字の両方をフルに使ってる気がします。

アルファベットで表記する言語の話者は表音文字部位が損傷すると失読症になる。
日本人の場合は、同じ部位が損傷すると「ひらがなは読めなくなるが、漢字は読める」という特異な病態を示すのである。
日本語を読み書きするということは、脳内部位の二箇所を同時に活動させることである。
こんなことをするのは今ではもう日本人だけである。

こんな症状があるなんて知りませんでした!脳の使い方からして違うんですね。そりゃ、外国人からしたら日本語の習得は難しいわけだ・・・。日本語は奥が深いですね。