桂離宮

桂離宮を見学してきました。京都に居るうちに一度は行っておきたかったので。さて感想ですが、もう素晴らしいの一言に尽きます。随所に趣向を凝らして作られた庭園、建築。作った方の美意識がとても伝わってきて感動を味わいました。

しかも、全然古くさくないんですよ。センスがいい。そのせいで、モダンにすら感じます。例えば茶室の壁なんか、白とブルーの市松模様ですよ。まるで60年代の北欧です。あと、窓の格子にも1本だけ蔦を絡ませたりしてアクセントが付けてあったりしますし、庭をすべて見渡せるところが数カ所しか無く、他は上手い事植木やらで目隠しして、チラリズム的な演出がしてあったりと、なんとも。

エントランスからしてストーリーがあるんですよ。例えば敷石。玄関の敷石は全て切り石でつくられ、来るものの緊張感を演出。そして(茶室への)待ち合いへの敷石は、切り石と天然石の混合で、緊張感の中にも少しリラックスした心を持ってもらいたい、という趣向。田舎風の離れへの敷石は、総天然石で、のびのびとくつろいで欲しいとの趣向。全てがそんな感じで、なにがしかの意図があって作られています。いやはやなんとも。

あと、心に残ったのは、至る所が「花を見る」「月を見る」ために作ってあるんですよね。しかも月に対するこだわりはすごい。ここは、満月が東から登るのを見る場所、ここは水面に映る月を見る場所、ここは西に沈む月を見る場所、という風に。月には特別な思い入れがあったようです。まさにうつろう四季を存分に感じ、楽しむための庭園。夜にも入れたらいいんですけどね・・・。いやぁ堪能しました。皆さんも、機会があったら是非行ってみてください。満足する事間違いなしです。