チームワークとリーダーシップ

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年

読了。この作者かなり綿密に取材してるみたいで、安部政権の中身がどうなっていて、どこに問題があって、それでどのように支持を失って行ったかが克明に書いてありました。しかも実名で*1。首相秘書官や官房長官のチームワークの取り方、あと危機のときのリーダーシップの発揮の仕方、(やくざみたいだけど)他の人たち(官僚とか、党本部とか、支持団体とか、あともちろん国民)への筋の通し方が、政権運営には特に重要なんだということがよくわかります。政策の中身というよりも、むしろこの3つが悉くダメだったからこそ、始めは70%近くも支持率があったのに、後半はメタメタになるという結果になったんだなぁと思いました。

しっかし首相というのは大変ですね。小泉首相のときの飯島秘書官がどれだけすごい人だったのかがよく分かります。人間やっぱりどこか弱点はあるもんですけど、その弱点を分かって、しっかりフォローしてくれる人を側に置けると言うのはすごく幸せなことなんだなぁとしみじみ。安部政権ではフォローしなきゃいけない人たちが皆保身に走ってしまったり、嘘の報告を上に上げたりと、チームとしてはかなりgdgdだったみたいだから、よっぽどすごいリーダーの素質がある人でないと、うまく運営することは難しかったでしょうね…。

少し前の行政改革首相官邸の権限は以前より強化されてるんですけど、これからはその運営、つまり首相官邸をいかに「チームとして」強くするかって、大事なテーマなんだなぁと思いました。

*1:I秘書官とか、メディア担当の若手S議員とか、S元官房長官とか、けっこう辛辣に書かれてます。政治記者などの周囲の評判を材料に、著者の視点が加わった感じ。