教育再生は給食から?

http://sankei.jp.msn.com/life/education/071111/edc0711110256001-n1.htm

大塚氏が真田町(合併前の旧真田町)教育長に着任したころ、その地区の学校は荒れていた。「教育長、この騒音が聞こえるか」。連夜、暴走族の往来で眠れない町民から苦情の電話がかかってきた。
それが今や、上田市真田地区の公立小学校と中学校は、非行ゼロだ。それだけではない。全国で百数十万人が受けた教研式CRT全国学力テストでは、多くの教科で圧倒的多数が全国平均より高い点数を取っている。しかも通塾率が低く、放課後は思いきり戸外で遊んでいるというのにである。
(中略)
大塚氏は給食改善に乗り出した。2年をかけて、米飯、具たくさんのみそ汁、焼き魚、副菜という和食の献立にした。
サンマ、イワシといった青魚はカルシウム、亜鉛などが豊富で、キレにくい子に育つのだ。生徒は掌のくぼみ一杯の小魚を毎日食した。野菜や果物を含め、一日の食事は給食で十分というほどたっぷり出した。これだけで学校は驚くほど落ち着きを見せ始めた。

長野県上田市のことを全然知らないので土地柄などはわからないのですが、なかなか面白い記事でした。カルシウム豊富な食事がキレにくい子を育てるというのは科学的根拠に欠けると一応理学部生としてツッコミを入れておきますが(笑)、学校での生活がより安らぐように給食を良くしたり花壇を作ったりとした結果、生徒たちの学校に対する見方がいい方向に変わって、それが非行の減少や成績向上につながったのでないか、という意見であれば諸手を上げて賛成します。

家庭環境の悪化や、地域社会の荒廃の影響に対抗するには、生活の場としての学校をもっと魅力的にすることだ、この論理はとても説得力があると思います。家庭が低所得だったりして荒廃していても、公立学校に行けば心温まる食事が食べられ、また学校内も快適だ。・・・もしそういう風になれば、家庭環境が悪い生徒も非行に走らず学校を大事にするようになるのは自然の流れですよね。食文化の伝承という観点でも、とっても良い事だと思います。

この間の全国学力テストで、都道府県別の成績が公開され、大阪や沖縄が最下位でした。まさにこれに対しどう取り組めばいいかのヒントになるのではないでしょうか。大阪府沖縄県は教師の増員を要請するようですけども、それじゃ今と大して変わらない気がします。僕は大阪や沖縄の成績結果の背景には収入や家庭環境の差があると思っています*1ので、収入差、家庭環境の差をどう学校がカバーするのか、という方向での議論がなされることを期待しているのでありますが、さて、どうでしょうかね。

*1:都道府県単位だと平均化されて分かりにくいですが、もっと狭い地域単位の成績分布が公開されればもっとハッキリすると思います。でも反対が多くて無理みたいで残念でなりません。