「人工生命体の作成」に成功したらしい?

http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1663713

まだ全文読んでないんですけど、ざっと目を通したときの僕の理解では

  1. 人間の手によって、実験室で「minimal genome(最小量のゲノム)」による「生命」を作り出すのを目標にかかげているCraig・Venter博士が
  2. 原核生物の中でも最小のゲノムを持つ「Mycoplasma genitalium」のゲノムの情報をベースに、
  3. その1/5を取り除いた(切りつめた)、58万塩基対、381遺伝子分の情報をもつDNAを化学的に合成した。
  4. 既に研究チームの科学者達は、ある細菌のゲノムを、他の細菌のゲノムを取り除いた外殻に移植する事に(つまり別の細菌に変身させてしまう事になる)成功しているので、その技術を転用すれば、今回作り出した"化学的に合成されたゲノム"を持つ「新しい生物」を誕生させる事ができる
  5. ただし、「倫理的な議論が生じる」事が予想されるため、実際に生命体としてそれを作り出す前に、論文を公表する事にした。
  6. そのゲノム(生命体)は、研究者達によって「Mycoplasma laboratorium 」と命名されている

人工生命体というと、ホント1から作ったみたいなイメージがしてビックリしたけど、良く読むと遺伝情報はMycoplasmaベースだし、外殻は既存の細菌を使うわけだし、いちおう今の生物の範疇で、自分なりに再構成しました、という感じなんですね。なーんだ。

アレなんですよ。遺伝情報だけでは、ただの情報でしかないんですよ。丁度パソコンのHDDのなかに入ってるOSの情報、みたいな感じで。
その情報を正しく読み出して、処理して、出力できるハードウェア(つまりDNA以外の細胞の構造体)がないと、生命体として正しく機能しないんですよね。だから、自分で好き勝手な遺伝情報を作って、他の細菌の外殻に移植しても、MacOSを普通のPCに入れようとするみたいな感じでうまくいかないんですよね。こんな風に考えると、生物とパソコンってちょっと似てるかもなって思います。

どうでしょう?説明わかりやすかったでしょうか?